Manager - Direct Tax
全世界的に金融監視が強化されており、ここインドでも、税務に関するコンプライアンスとして国外に保有する資産の開示の重要度が増しています。所得税申告書にこれらの資産を報告しない場合、インドの税法に基づき、重い罰金や利息、場合によっては刑事訴追を受ける可能性があるからです。
本記事では、開示不履行が及ぼす主な法的影響と、納税者が税務を遵守する重要性について解説します。
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UJA Tax Team
2025年5月作成
グローバル化が進む現代では、個人が国境を越えて資産を保有し、所得を得ることが特別なことではなくなりつつあります。税務コンプライアンスを確保し、不正な金融の流れを抑制するため、各国政府は国外所得や資産の開示に関して厳格な規制を導入しています。
インドでは、居住日数によって非居住者(Non Resident: NR)、非通常の居住者(Resident but Not Ordinary Resident: RNOR)、通常の居住者(Resident Ordinary Resident: ROR)の3つのステータスに判定され、そのうち通常の居住者は、海外保有資産を所得税申告書(Income Tax Return: ITR)で開示することが義務付けられています。これを怠ると、1961年所得税法および2015年ブラックマネー法基づき、重大なペナルティを課される可能性があります。具体的には、高額な罰金、利息、さらには刑事訴追につながることもあり得ます。完全かつ正確な報告が重要です。
インド税法上、居住ステータスが「通常居住者」に分類される個人に限り、国外資産の開示が義務付けられています。これには以下が含まれます。
インド税法(ブラックマネー法および所得税法)
未申告が意図的でなかった場合、または見落としによるものであった場合は、以下の方法で、修正が可能です。
正確な情報開示とペナルティを最小限に抑えるため、税務専門家または公認会計士に相談することが強く推奨されます。
所得税申告における国外資産の非開示は、単なる技術的なミスとして片づけることはできず、重大な問題となり得ます。ブラックマネー法でわかるように、インドの税務当局は海外資産の未申告に対して厳しい姿勢を示しているからです。
正確に申告することは、罰則や訴追を避けるためだけではありません。金融システムの透明性と信頼性を保つ上でも重要な事項として位置付けられています。コンプライアンスを守る姿勢を表すとともに、十分な情報に基づいた意思決定、専門家による指導を受けることが、税務上および法的なリスクを回避し、安心を得ることができます。