Taxation Times

税務申告ポータルに新機能

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Introduction

by Anjali Darak
by Anjali Darak

Manager - Direct Tax

インド財務省の電子申告ポータルサイト(e-filing)に [Response Viewed(回答閲覧) ] という新機能が導入されました。この機能により納税者は、税務通知や当局からの質問に対する回答を税務担当官が閲覧した正確な日時を確認できます。これはユーザーのわかりやすさと操作しやすさの向上を目指して導入されたものです。非対面での査定や不服申立手続きを推進する中、こうした機能が拡充されることで、税務手続きの透明性と説明責任がもたらされます。納税者は、自身の提出書類が送信されたことを把握するだけでなく、当局が確かに閲覧していることを確認できるようになりました。本稿では、電子申告ポータルサイトのこの新しい機能を説明します。

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UJA Tax Team

2025年11月作成

税務電子申告ポータルに「Response Viewed」機能を導入

税務の電子申告ポータルに追加された新機能は、申告の過程の透明性を向上させ、納税者の主体的な関与を促すものとなるでしょう。これにより、納税者は、税務当局からの通知や連絡事項に対する自身の回答が税務当局によっていつ閲覧されたかを正確に把握できるようになります。

Response Viewed 機能とは

  • この機能は査定官または所得税(上訴)委員が納税者の提出書類にアクセスまたは確認した時刻を、「回答閲覧日時:[日付/時刻]」といったメッセージで表示します。
  • この更新は、非対面審査・上訴制度で適用されます。対面でのやりとりではないために生じる課題の排除が期待できます。
  • 実質的には、納税者に対して、提出書類が単に提出されただけでなく開封されたことを確認する役割を果たします。

重要性:主な利点

  1. 透明性と確実性
    これまでは提出した書類の進捗状況がわからず、納税者は提出書類が実際に閲覧されたかどうかさえ疑問に思うことがありました。この新機能により、曖昧さが解消されます。
  2. 説明責任と処理のスピード化
    この機能は、財務省内部のパフォーマンスアップにも寄与するでしょう。担当官の行動(または行動していないこと)が可視化されるため、担当官自身がそのことを認識すれば、処理のスピード化が促進される可能性があります。
  3. 不要な追跡連絡の削減
    納税者は自身の回答が見られたかどうかを確認するためのリマインダーや問い合わせを減らせすことができるでしょう。担当官側も、問い合わせに対応する時間を削減できるので、よりスムーズな処理が期待できます。
  4. デジタルプロセスへの信頼強化
    デジタルによる非対面システムに対する批判の一つは、可視性の欠如でした。この機能によりシステムが応答性を持つことが示され、可視性の欠如というギャップを埋めることにつながります。

非対面体制における位置づけ

  • 非対面式の査定・不服申立制度は、人的関与の削減、客観性の向上、手続きの迅速化を目的に導入されました。
  • その後、納税者にとってより使いやすいシステムとするため、税務当局は機能強化を段階的に実施してきました。
  • これまでに、電子申告ポータルでは納税者が通知・回答・未処理の手続きを追跡しやすくするために、ナビゲーション機能やフィルター機能、「e-Proceedings」用のタブなどが改善・導入されていました。

想定される課題と留意点

  • 技術的な信頼性 – システムは「閲覧済み」スタンプを正確かつ確実に記録し、誤って「閲覧済み」または「未閲覧」と表示しないようにする必要があります。
  • 反映のタイミング– 担当官が実際に文書を閲覧した時点と、システムに反映される時点との間に遅延が生じる可能性があります。
  • 解釈上の注意– 「閲覧済み」は必ずしも「処理済み」を意味しません。納税者が自分の回答が閲覧されたことを確認できても、それが問題の解決を意味するわけではありません。
  • 担当官への負担– 「閲覧日時」が可視化されることで、担当官に心理的・業務的なプレッシャーがかかる可能性があります。税務当局として、適切な期待値の管理が求められます。
  • 利用者の認知と活用 – 納税者はこの新機能の存在を理解し、効果的に活用する必要があります。

納税者が取るべき対応

  • 電子申告ポータルサイトを通じて通知や連絡に回答した後は、ポータルサイト上でその回答がいつ閲覧されたかを確認してください。
  • 「閲覧日時」を確認したら、その記録を確認証拠として保存しておくとよいでしょう。
  • 「閲覧済み」になっても不自然なほど対応が遅い場合は、適切なエスカレーション(苦情申立て、RTP、その他のチャネル)やフォローアップを検討してください。
  • この機能に関する今後のシステム更新や所得税局からの通知にも、引き続き注意してください。

まとめ

「Response Viewed(回答閲覧済み)」インジケーターの導入は、インドの電子申告制度や非対 面式の審査制度において、実用的で歓迎すべき新たな機能です。 この仕組みにより、従来は不透明になりがちだったプロセスに可視性と説明責任の要素が加わり、納 税者の信頼構築に寄与します。 この機能だけで処理の迅速化が保証されるわけではありませんが、税務のデジタルシステムをより公正 で、信頼性が高く、応答性のあるものにしていく上で、有用なツールとなるでしょう。